第1条 岡本政明法律事務所は、本規程にて、当事務所の弁護士(以下「弁護士」という。)が弁護士業務を行うに際しての弁護士報酬等に関し、以下のとおり定めます。
第2条 弁護士報酬とは、法律相談料、書面による鑑定料(法的意見書)、着手金、報酬金、手数料、顧問料及び日当を含めた総称です。
2. 前項の用語の意義は、次表のとおりです。
法律相談料 | 依頼者に対して行う法律相談(口頭による鑑定、電話による相談を含む。)の対価をいいます。 |
書面による鑑定料 (法的意見書作成料) |
依頼者に対して行う書面による法律上の判断又は意見の表明の対価をいいます。 |
着手金 | 事件又は法律事務(以下「事件等」という。)の性質上、委任事務処理の結果に成功不成功があるものについて、その結果のいかんにかかわらず受任時に受けるべき委任事務処理の対価をいいます。 |
報酬金 | 事件等の性質上、委任事務処理の結果に成功不成功があるものについて、その成功の程度に応じて受ける委任事務処理の対価をいいます。 |
手数料 | 原則として1回程度の手続又は委任事務処理で終了する事件等についての委任事務処理の対価をいいます。 |
顧問料 | 契約によって継続的に行う一定の法律事務の対価をいいます。 |
日当 | 弁護士が、委任事務処理のために事務所所在地を離れ、移動によってその事件等のために拘束されること(委任事務処理自体による拘束を除く。)の対価をいいます。 |
第3条 着手金は、事件等の依頼を受けたとき、報酬金は、事件等の処理が終了したとき、その他の弁護士報酬は、この規程に特に定めのあるときはその規定に従い、特に定めのないときは、依頼者との協議により決定して、それぞれ支払いを受けることとします。
第4条 弁護士報酬は、1件ごとに定め、裁判上の事件は審級ごととし、裁判外の事件等は当初依頼を受けた事務の範囲をもって1件とします。ただし、第3章第1節において、引き続き上訴審を受任したときの報酬金については、特に定めのない限り、最終審の報酬金のみとします。
2. 裁判外の事件等が裁判上の事件に移行したときは、別件となります。
第5条 弁護士は、各依頼者に対して、弁護士報酬を請求することができます。
第6条 弁護士は依頼者に対し、事件を受任するに際し、弁護士報酬について説明します。
2. 弁護士は、事件等を受任したときは、委任契約書を作成します。ただし、委任契約書を作成することに困難な事由があるときは、その事由が止んだ後、これを作成するものとします。
3. 前項の規定にかかわらず、受任した法律事務が、法律相談、簡易な書面の作成、顧問契約等継続的な契約に基づくものであるとき、その他合理的な理由があるときは、委任契約書を作成しません。
4. 委任契約書には、事件等の表示、受任の範囲、弁護士報酬の額及び支払時期その他の特約事項を記載するものとします。なお依頼者から申出のあるときは、弁護士報酬の額、その算出方法及び支払時期に関する事項等を記載した弁護士報酬説明書の作成及び交付をします。
第7条 弁護士報酬については、依頼者が経済的資力に乏しいとき、その他特別の事情があるとき、或いは事件の性質等によって、依頼者と協議して減額することができるものとします。
第8条 依頼を受けた事件等が、重大若しくは複雑なとき、審理若しくは処理が困難を伴い委任事務処理が膨大になるとき、長期にわたるとき又は受任後同様の事情が生じた場合において、本規程によっては弁護士報酬の適正妥当な額が算定できないときは、弁護士は、依頼者と協議のうえ、その額を適正妥当な範囲内で増額します。
第9条 この規程に定める額は、消費税法等に基づき、弁護士の役務に対して課せられる消費税等の額に相当する金額を含みます。なお、消費税等の改正等がある場合、これに応じて金額は変動します。
第10条 法律相談料は、30分ごとに5千5百円以上2万7千5百円以下としますが、法律相談を行うに際して海外法務に関する知見や英語の運用を伴う場合、その他特別な事情がある場合には、それぞれの事由に基づき、各30%毎増額する場合もあります。
第11条 法的意見書の作成は、基本として22万円以上33万円以下としますが、事案が複雑又は特殊な事情があるときは、弁護士は依頼者と協議のうえ、超過する額とすることができます。
第12条 本節の着手金及び報酬金については、この規程に特に定めのない限り、着手金は事件等の対象となる経済的利益の額を、報酬金は委任事務処理により確保される経済的利益の額を、それぞれ基準として算定します。
第13条 前条の経済的利益の額は、原則として、次のとおりです。
ただし、その権利の時価が対象たる物の時価の2分の1の額を超えるときは、その権利の時価相当額
第14条 前条で算定された経済的利益の額が、紛争の実態に比して明らかに大きいときは、弁護士は、依頼者と協議のうえ、経済的利益の額を、減額することもあります。
2. 前条で算定された経済的利益の額が、次の各号の1つに該当するときは、弁護士は、経済的利益の額を、紛争の実態又は依頼者の受ける経済的利益の額に相応するまで、依頼者と協議して増額することができます。
第15条 第13条により経済的利益の額を算定することができないときは、その額を800万円とします。
2. 弁護士は、依頼者と協議のうえ、前項の額を、事件等の難易、軽重、手数の繁簡及び依頼者の受ける利益等を考慮して、適正妥当な範囲内で増減額することができます。
第16条 訴訟事件(手形・小切手訴訟事件を除く。)、非訟事件、家事審判事件、行政審判等事件及び仲裁事件(次条に定める仲裁センター事件を除く。)の着手金及び報酬金は、この規程に特に定めのない限り、経済的利益の額を基準として、それぞれ次表のとおり算定します。
経済的利益の額 | 着手金 | 報酬金 |
300万円以下の部分 | 8.8% | 17.6% |
300万円を超え3,000万円以下の部分 | 5.5% | 11% |
3,000万円を超え3億円以下の部分 | 3.3% | 6.6% |
3億円を超える部分 | 2.2% | 4.4% |
2. 前項の着手金及び報酬金は、事件の内容により、30%の範囲内で増減額することができます。
3. 民事事件につき引き続き上訴事件を受任するときは、前2項にかかわらず、着手金を適正妥当な範囲内で減額することができます。
4. 前3項の着手金は、11万円を最低額とします。
5. 特許権、実用新案権、意匠権、商標権、不正競争防止法など、その他知的財産に関する事件については、事件等の難易、軽重、手数の繁簡及び依頼者の受ける利益等を考慮して、弁護士と依頼者との協議により定める額とします。
第17条 調停事件、示談交渉(裁判外の和解交渉をいう。以下同じ。)事件の着手金及び報酬金は、この規程に特に定めのない限り、それぞれ前条第1項及び第2項又は第20条第1項及び第2項の各規定を準用します。
2. 示談交渉事件から引き続き受任した調停事件の着手金は、前条第1項及び第2項又は第20条第1項及び第2項の各規定により算定された額の2分の1とすることができます。
3. 示談交渉事件、調停事件から引き続き訴訟その他の事件を受任するときの着手金は、前条第1項及び第2項又は第20条第1項及び第2項の各規定により算定された額の2分の1とすることができます。
4. 前3項の着手金は、11万円を最低額とします。
第18条 示談交渉事件を除く契約締結交渉について着手金及び報酬金は、経済的利益の額(取引交換価値)を基準として、次表の通り算定します。
経済的利益の額 | 着手金 | 報酬金 |
300万円以下の部分 | 2.2% | 4.4% |
300万円を超え3000万円以下の部分 | 1.1% | 2.2% |
3000万円を超え3億円以下の部分 | 0.55% | 1.1% |
3億円を超える部分 | 0.33% | 0.66% |
2. 前項の着手金及び報酬金は、事案の内容により、30%の範囲内で増減額が可能です。
3. 前2項の着手金は、11万円を最低額とします。
第19条 督促手続事件の着手金は、経済的利益の額を基準として、次表のとおり算定します。
経済的利益の額 | 着手金 |
300万円以下の部分 | 2.2% |
300万円を超え3,000万円以下の部分 | 1.1% |
3,000万円を超え3億円以下の部分 | 0.55% |
3億円を超える部分 | 0.33% |
2. 前項の着手金は、事件の内容により、30%の範囲内で増減額することができます。
3. 前2項の着手金は、5万5千円を最低額とします。
4. 督促手続事件が訴訟に移行したときの着手金は、第16条又は次条の規定により算定された額と前3項の規定により算定された額との差額とします。
5. 督促手続事件の報酬金は、第16条又は次条の規定により算定された額の2分の1とします。
6. 金銭等の具体的な回収をするため、民事執行事件を受任するときは、前各項の着手金又は報酬金とは別に、民事執行事件の着手金として第16条の規定により算定された額の3分の1を、報酬金として同条の規定により算定された額の4分の1を、報酬とします。
第20条 手形、小切手訴訟事件の着手金及び報酬金は、経済的利益の額を基準として、次表のとおり算定します。
経済的利益の額 | 着手金 | 報酬金 |
300万円以下の部分 | 4.4% | 8.8% |
300万円を超え3,000万円以下の部分 | 2.75% | 5.5% |
3,000万円を超え3億円以下の部分 | 1.65% | 3.3% |
3億円を超える部分 | 1.1% | 2.2% |
2. 前項の着手金及び報酬金は、事件の内容により、30%の範囲内で増減額することができます。
3. 前2項の着手金は、5万5千円を最低額とします。
4. 手形、小切手訴訟事件が通常訴訟に移行したときの着手金は、第16条の規定により算定された額と前3項の規定により算定された額との差額とし、その場合の報酬金は、第16条の規定を準用します。
第21条 離婚事件の着手金及び報酬金は、次表のとおりとします。ただし、引き続き上訴事件を受任するときは、着手金を適正妥当な範囲内で減額することができます。
離婚事件の内容 | 着手金及び報酬金 |
離婚調停事件、離婚交渉事件 | それぞれ33万円以上55万円以下 |
離婚訴訟事件 | 44万円以上66万円以下 |
2. 離婚交渉事件から引き続き離婚調停事件を受任するときの着手金は、前項の規定による離婚調停事件の着手金の額の2分の1とすることができます。
3. 離婚調停事件から引き続き離婚訴訟事件を受任するときの着手金は、第1項の規定による離婚訴訟事件の着手金の額の2分の1とすることができます。
4. 前3項において、財産分与、慰謝料など財産給付を伴うときは、弁護士は、財産給付の実質的な経済的利益の額を基準として、第16条又は第17条の規定により算定された着手金及び報酬金の額以下の適正妥当な額を加算して請求することができます。
5. 前各項の規定にかかわらず、弁護士は、依頼者と協議のうえ、離婚事件の着手金及び報酬金の額を、依頼者の経済的資力、事案の複雑さ及び事件処理に要する手数の繁簡等を考慮し、適正妥当な範囲内で増減額することができます。
第22条 境界確定訴訟、境界確定を含む所有権に関する訴訟その他境界に関する訴訟の着手金及び報酬金は、それぞれ44万円以上66万円以下とします。ただし、引き続き上訴事件を受任するときは、着手金を適正妥当な範囲内で減額することができます。
2. 前項の着手金及び報酬金は、第16条の規定により算定された着手金及び報酬金の額が前項の額を上回るときは、同条の規定によります。
3. 境界に関する調停事件及び示談交渉事件の着手金及び報酬金は、事件の内容により、第1項の規定による額又は前項の規定により算定された額の、それぞれ3分の2に減額することができます。
4. 境界に関する示談交渉事件から引き続き調停事件又は仲裁センター事件を受任するときの着手金は、第1項の規定による額又は第2項の規定により算定された額のそれぞれ2分の1とすることができます。
5. 境界に関する調停事件、仲裁センター事件又は示談交渉事件から引き続き訴訟事件を受任するときの着手金は、第1項の規定による額又は第2項の規定により算定された額の、それぞれ2分の1とすることができます。
6. 前各項の規定にかかわらず、弁護士は、依頼者と協議のうえ、境界に関する事件の着手金及び報酬金の額を、依頼者の経済的資力、事案の複雑さ及び事件処理に要する手数の繁簡等を考慮し、適正妥当な範囲内で増減額することができます。
第23条 借地非訟事件の着手金は、借地権の額を基準として、次表のとおりとします。ただし、引き続き上訴事件を受任するときは、着手金を適正妥当な範囲内で減額することができます。
借地権の額 | 着手金 |
5,000万円以下の部分 | 33万円以上55万円以下 |
5,000万を超える部分 | 前段の額に5,000万円を超える部分の0.55%を加算した額 |
2. 借地非訟事件の報酬金は、次のとおりとします。ただし、弁護士は、依頼者と協議のうえ、報酬金の額を、事案の複雑さ及び事件処理に要する手数の繁簡等を考慮し、適正妥当な範囲内で増減額することができます。
3. 借地非訟に関する調停事件、仲裁センター事件及び示談交渉事件の着手金及び報酬金は、事件の内容により、第1項の規定による額又は前項の規定により算定された額の、それぞれ3分の2に減額することができます。
4. 借地非訟に関する示談交渉事件から引き続き調停事件又は仲裁センター事件を受任するときの着手金は、第1項の規定による額の2分の1とすることができます。
5. 借地非訟に関する調停事件、仲裁センター事件又は示談交渉事件から引き続き借地非訟事件を受任するときの着手金は、第1項の規定による額の2分の1とすることができます。
第24条 仮差押及び仮処分の各命令申立事件(以下「保全命令申立事件」という。)の着手金は、第16条の規定により算定された額の2分の1以上とすることができます。ただし、審尋又は口頭弁論を経るときは、同条の規定の3分の2以上とすることができます。
2. 前項の事件が重大又は複雑なときは、第16条の規定により算定された額の4分の1以上の報酬金を受けることができます。ただし、審尋又は口頭弁論を経たときは、同条の規定により算定された額の3分の1以上の報酬金を受けることができます。
3. 第1項の手続により本案の目的を事実上達したときは、前項の規定にかかわらず、第16条の規定に準じて報酬金を受けることができます。
4. 保全執行事件は、その執行が重大又は複雑なときに限り、保全命令申立事件とは別に着手金及び報酬金を受けることができるものとし、その額については、次条第1項及び第2項の規定を準用します。
5. 第1項の着手金及び第2項の報酬金並びに前項の着手金及び報酬金は、本案事件と併せて受任したときでも、本案事件の着手金及び報酬金とは別に受けることができます。
6. 保全命令申立事件及び保全執行事件の着手金は、11万円を最低額とします。
第25条 民事執行事件の着手金は、原則として、第16条の規定により算定された額の2分の1とします。
2. 民事執行事件の報酬金は、原則として、第16条の規定により算定された額の4分の1とします。
3. 民事執行事件の着手金及び報酬金は、本案事件に引き続き受任したときでも、本案事件の着手金及び報酬金とは別に受けることができます。ただし、着手金は第16条の規定により算定された額の3分の1を下限とします。
4. 執行停止事件の着手金は、第16条の規定により算定された額の2分の1とすることができます。ただし、本案事件に引き続き受任するときは、同条の規定により算定された額の3分の1以上とすることができます。
5. 前項の事件が重大又は複雑なときは、第16条の規定により算定された額の4分の1以上の報酬金を受けることができます。
6. 民事執行事件及び執行停止事件の着手金は、5万5千円を最低限とします。
第26条 破産、民事再生、会社整理、特別清算及び会社更生の各事件の着手金(ただし、民事再生事件については次条のとおりとします)は、資本金、資産及び負債の額並びに関係人の数等事件の規模に応じて定め、それぞれ次の額とします。ただし、前記各事件に関する保全事件の弁護士報酬は、次に述べる着手金に含まれます。
倒産整理事件の内容 | 着手金 |
(1)事業者の自己破産事件 | 55万円以上 |
(2)非事業者の自己破産事件 | 22万円以上 |
(3)自己破産以外の破産事件 | 55万円以上 |
(4)会社整理事件 | 110万円以上 |
(5)特別清算事件 | 110万円以上 |
(6)会社更生事件 | 220万円以上 |
2. 前項の各事件の報酬金は、第16条の規定を準用します。この場合の経済的利益の額は、配当額、配当資産、免除債権額、延払いによる利益及び企業継続による利益等を考慮して算定します。ただし、前項第1号及び第2号の事件は、依頼者が免責決定を受けたときに限り、報酬金を受けることができます。
第27条 民事再生事件の着手金は、資本金、資産及び負債の額、関係人の数等事件の規模並びに事件処理に要する執務量に応じて定め、それぞれ次の各号に掲げる額とします。ただし、民事再生事件に関する保全事件の弁護士報酬は、着手金に含まれます。
民事再生事件の内容 | 着手金 |
(1)事業者の民事再生事件 | 110万円以上 |
(2)個人の民事再生事件 (小規模個人再生及び給与所得者等再生事件を含む) |
33万円以上 |
2. 民事再生事件の弁護士報酬金について、第16条の規定を準用します。
3. 前2項の報酬金の決定に際し基準となる経済的利益の額は、弁済額、免除債権額、延払いによる利益及び企業継続による利益等を考慮して算定します。ただし、次項の弁護士報酬を既に受領しているときは、これを考慮します。
4. 弁護士は、依頼者が再生手続開始決定を受けた後民事再生手続が終了するまでの執務の対価として、依頼者との協議により、毎月相当額の弁護士報酬を受けることができます。
5. 前項の弁護士報酬の算定にあたっては、執務量、着手金及び既に第2項の報酬金を受領している場合には当該報酬金の額を考慮します。
6. 民事再生法第235条に基づく免責申立事件(免責異議申立事件を含みます。)の着手金は、第1項第2号及び第3号の規定により算定された額の2分の1とすることができます。この場合の報酬金は、前項の規定を準用します。
第28条 第26条第1項又は前条第1項に該当しない債務整理事件(以下「任意整理事件」という。)で事業者に関するものの着手金は、資本金、資産及び負債の額並びに関係人の数等事件の規模に応じて定め、それぞれ次の額とします。
(1)事業者の任意整理事件 | 55万円以上 |
(2)非事業者の任意整理事件 | 22万円以上 |
2. 前項の事件が清算により終了したときの報酬金は、債務の弁済に供すべき金員又は代物弁済に供すべき資産の価額(以下「配当原資額」という。)を基準として、次の各号の表のとおり算定します。
配当原資額 | 報酬金 |
500万円以下の部分 | 16.5% |
500万円を超え1,000万円以下の部分 | 11% |
1,000万円を超え5,000万円以下の部分 | 8.8% |
5,000万円を超え1億円以下の部分 | 6.6% |
1億円を超える部分 | 5.5% |
配当原資額 | 報酬金 |
5,000万円以下の部分 | 3.3% |
5,000万円を超え1億円以下の部分 | 2.2% |
1億円を超える部分 | 1.1% |
3. 第1項の事件が、債務の減免、履行期限の猶予又は企業継続等により終了したときの報酬金は、第27条第3項の規定を準用します。
4. 非事業者の任意整理事件の着手金は、1債権者当たり2万2千円(ただし、合計の最低金額を5万5千円)とする。また、直接面談して交渉するなど格別の手間を要する債権者に関しては、適正妥当な範囲内で増額することができます。
5. 前項の事件の報酬金は、利息制限法による引き直し前の総請求債権額から、債務弁済契約による総支払額の差額の11%とします。ただし、弁護士は、依頼者と協議のうえ、依頼者の経済的資力、事案の複雑さ及び事件処理に要する手数の繁簡等を考慮し、報酬金を適正妥当な範囲内で増減額することができます。
6. 第1項の事件の処理について、裁判上の手続を要したときは、前4項に定めるほか、本節の規定により算定された報酬金を受けることができます。
第29条 行政上の異議申立、審査請求、再審査請求その他の不服申立事件の着手金は、第16条の規定により算定された額の3分の2とし、報酬金は、同条の規定により算定された額の2分の1とします。ただし、審尋又は口頭審理等を経たときは、同条の規定を準用します。
2. 前項の着手金は、11万円を最低額とします。
第30条 刑事事件の着手金は、次表のとおりとします。
刑事事件の内容 | 着手金 |
起訴前及び起訴後 (第1審及び上訴審をいう。以下同じ。) の事案簡明な事件 |
33万円以上 55万円以下 |
起訴前及び起訴後の前段以外の事件及び再審事件 | 55万円以上 |
再審請求事件 | 55万円以上 |
2. 前項の事案簡明な事件とは、特段の事件の複雑さ、困難さ又は繁雑さが予想されず、委任事務処理に特段の労力又は時間を要しないと見込まれる事件であって、起訴前については事実関係に争いがない情状立証のみを必要とする事件、起訴後については公判終結までの公判開廷数が2ないし3開廷程度と見込まれる情状立証のみを必要とする事件(上告事件を除きます。)、上告事件は事実関係に争いがない情状事件をいいます。
第31条 刑事事件の報酬金は、次表のとおりとします。
刑事事件の内容 | 結果 | 報酬金 | |
事案簡明な事件 | 起訴前 | 不起訴 | 33万円以上 55万円以下 |
求略式命令 | 前段の額を超えない額 | ||
起訴後 | 刑の執行猶予 | 33万円以上 55万円以下 |
|
求刑された刑が軽減された場合 | 前段の額を超えない額 | ||
前段以外の刑事事件 | 起訴前 | 不起訴 | 55万円以上 |
求略式命令 | 55万円以上 | ||
起訴後 (再審事件を含む。) |
無罪 | 66万円以上 | |
刑の執行猶予 | 55万円以上 | ||
求刑された刑が軽減された場合 | 軽減の程度による相当な額 | ||
検察官上訴が棄却された場合 | 55万円以上 | ||
再審請求事件 | 55万円以上 |
2. 前項の事案簡明な事件とは、前条の事案簡明な事件と見込まれ、かつ結果において予想された委任事務処理量で結論を得た事件をいいます。
第32条 起訴前に受任した事件が起訴され(求略式命令を除く)、引き続いて起訴後の事件を受任するときは、第30条に定める着手金を受けることができます。ただし、事案簡明な事件については、起訴前の事件の着手金の2分の1とすることができます。
2. 刑事事件につき弁護士が引き続き上訴事件を受任するときは、前2条の規定にかかわらず、着手金及び報酬金を適正妥当な範囲内で減額することができます。
3. 弁護士は、追加して受任する事件が同種であることにより、追加件数の割合に比して1件あたりの執務量が軽減されるときは、追加受任する事件につき、着手金及び報酬金を適正妥当な範囲内で減額することができます。
第33条 検察官の上訴の取下げ又は免訴、公訴棄却、刑の免除、破棄差戻若しくは破棄移送の言渡しがあったときの報酬金は、それまでに弁護人が費やした時間及び執務量を考慮したうえ、第32条の規定を準用します。
第34条 保釈、勾留の執行停止、抗告、即時抗告、準抗告、特別抗告、勾留理由開示等の申立事件の着手金及び報酬金は、依頼者との協議により、被疑事件又は被告事件の着手金及び報酬金とは別に、相当な額を受けることができます。
第35条 告訴、告発、検察審査の申立、仮釈放、仮出獄、恩赦等の手続の着手金は、1件につき11万円以上とし、報酬金は、依頼者との協議により受けることができます。
第36条 少年事件(家庭裁判所送致前の少年の被疑事件を含む。以下同じ。)の着手金は、次表のとおりとします。
少年事件の内容 | 着手金 |
家庭裁判所送致前及び送致後 | 33万円以上55万円以下 |
抗告、再抗告及び保護処分の取消 | 33万円以上55万円以下 |
2. 少年事件の報酬金は、次表のとおりとする。
少年事件の結果 | 報酬金 |
非行事実なしに基づく審判不開始又は不処分 | 33万円以上 |
その他 | 33万円以上55万円以下 |
3. 弁護士は、着手金及び報酬金の算定につき、家庭裁判所送致前の受任か否か、非行事実の争いの有無、少年の環境調整に要する手数の繁簡、身柄付の観護措置の有無、試験観察の有無等を考慮し、依頼者と協議のうえ、事件の重大性等により、前2項の額を適正妥当な範囲内で増減額することができます。
4. 第2項に定める場合以外においても、報酬金を受領することが相当とする結果が得られたときは、依頼者との協議により、第2項に準じた報酬額を受領することができます。
第37条 家庭裁判所送致前に受任した少年事件は、第4条の規定にかかわらず、家庭裁判所に送致されても1件の事件とみなします。
2. 少年事件につき、引き続き抗告審等を受任するときは、前条の規定にかかわらず、抗告審等の着手金及び報酬金を、適正妥当な範囲内で減額することができます。
3. 弁護士は、送致された事件が複数である場合及び事件が追加して送致され併合された場合の着手金及び報酬金の算定については、1件の少年事件として扱うものとします。ただし、追加送致された事件により、少年の環境調整などのために著しく執務量を増加させるときには、追加受任する事件につき、依頼者との協議により妥当な着手金を受領することができます。
4. 少年事件が刑事処分相当として家庭裁判所から検察官に送致されたときの刑事事件の弁護士報酬は、本章第2節の規定によります。ただし、弁護士が引き続き刑事事件を受任するときの着手金は、その送致前の執務量を考慮して、受領済みの少年事件の着手金の額の範囲内で減額することができます。
第38条 手数料は、この規程に特に定めのない限り、事件等の対象の経済的利益の額を基準として、次の各号の表のとおり算定します。なお、経済的利益の額の算定については、第13条ないし第15条の規定を準用します。
項目 | 分類 | 手数料 |
証拠保全 (本案事件を併せて受任したときでも本案事件の着手金とは別に受けることができる。) |
基本 | 22万円に第16条第1項の着手金の規定により算定された額の11%を加算した額 |
特に複雑又は特殊な事情がある場合 | 弁護士と依頼者との協議により定める額 | |
即決和解 | 示談交渉を要しない場合 |
|
示談交渉を要する場合 | 示談交渉事件として、第16条又は第21条ないし第23条の各規定により算定された額 | |
公示催告 | 即決和解の示談交渉を要しない場合と同額 | |
倒産整理事件の債権届出 | 基本 | 5万5千円以上11万円以下 |
特に複雑又は特殊な事情がある場合 | 弁護士と依頼者との協議により定める額 | |
法定成年後見、保佐、補助開始決定申立事件 | 基本 | 11万円以上22万円 |
特に複雑又は特殊な事情がある場合 | 弁護士と依頼者との協議により定める額 | |
簡易な家事審判 (家事審判法第9条第1項甲類に属する家事審判事件で事案簡明なもの。) |
11万円以上22万円以下 |
項目 | 分類 | 手数料 | |
法律関係調査(事実関係調査を含む。) | 基本 | 5万5千円以上 22万円以下 |
|
特に複雑又は特殊な事情がある場合 | 弁護士と依頼者との協議により定める額 | ||
契約書類及びこれに準ずる書類の作成 | 定型 | 経済的利益の額が1,000万円未満のもの | 11万円 |
経済的利益の額が1,000万円以上1億円未満のもの | 33万円 | ||
経済的利益の額が1億円以上のもの | 適正かつ妥当な額 | ||
非定型 | 基本 |
|
|
特に複雑又は特殊な事情がある場合 | 弁護士と依頼者との協議により定める額 | ||
公正証書にする場合 | 上の手数料に3万3千円の額を加算する。 | ||
内容証明郵便作成 | 弁護士名の表示なし | 基本 | 3万3千円 |
特に複雑又は特殊な事情がある場合 | 弁護士と依頼者との協議により定める額 | ||
弁護士名の表示あり | 基本 | 5万5千円 | |
特に複雑又は特殊な事情がある場合 | 弁護士と依頼者との協議により定める額 | ||
特に複雑又は特殊な事情がある場合 | 弁護士と依頼者との協議により定める額 | ||
遺言書作成 | 定型 | 22万円 | |
非定型 | 基本 |
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特に複雑又は特殊な事情がある場合 | 弁護士と依頼者との協議により定める額 | ||
公正証書にする場合 | 上の手数料に3万3千円の額を加算する。 | ||
遺言執行 | 基本 |
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特に複雑又は特殊な事情がある場合 | 弁護士と受遺者との協議により定める額 | ||
遺言執行に裁判手続を要する場合 | 遺言執行手数料とは別に、裁判手続に要する弁護士報酬を請求することができる。 | ||
会社設立等 | 設立、増減資等の資本政策の変更、合併、分割、営業譲渡等の組織変更、通常清算 | 資本額若しくは総資産額のうち高い方の額又は増減資額に応じて次により算出された額。ただし、合併または分割については220万円を、通常清算については110万円を、その他の手続については11万円を、それぞれ最低限とする。
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特に複雑又は特殊な事情がある場合 | 弁護士と依頼者との協議により定める額 | ||
会社設立等以外の登記等 | 申請手続 | 1件5万5千円。ただし、事案によっては、弁護士と依頼者との協議により、適正妥当な範囲内で増減額することができる。 | |
交付手続 | 登記簿謄抄本、戸籍謄抄本、住民票等の交付手続は、1通につき1,100円とする。 | ||
株主総会等指導 | 基本 | 33万円以上 | |
総会等準備も指導する場合 | 55万円以上 | ||
簡易な自賠責請求(自動車損害賠償責任保険に基づく被害者による簡易な損害賠償請求) | 次により算定された額。ただし、損害賠償請求権の存否又はその額に争いがある場合には、弁護士は、依頼者との協議により適正妥当な範囲内で増減額することができる。
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項目 | 分類 | 手数料 | ||
任意後見契約又は任意代理契約 | 任意後見契約又は任意代理契約締結に先立って行う依頼者の事理弁識能力の有無及び程度、財産状況その他依頼者の財産管理又は身上監護に当たって把握すべき事情等の調査 | 基本 | 5万5千円以上22万円以下 | |
特に複雑又は特殊な事情がある場合 | 弁護士と依頼者との協議により定める額 | |||
任意後見契約締結後から当該契約が効力を生ずるまで、又は任意代理契約締結後から当該契約に基づく財産管理が開始されるまでの間になされる訪問による面談 | 1訪問につき3万3千円 | |||
委任事務の処理 | 任意後見契約又は任意代理契約に基づく基本委任事務(依頼者の日常生活を営むために必要な基本的な事務をいう。以下同じ。)の処理 | 月額5万5千円 | ||
基本委任事務の範囲外の事務処理 | 基本委任事務に加えて収益不動産の管理その他の継続的な事務の処理を行う場合 | 月額3万3千円以上11万円以下 | ||
裁判手続等を要する場合 | 本規程の他の条項に基づき算定された手数料、着手金又は報酬金の額 |
現物出資等証明 (会社法第207条第9項第4号等に基づく証明) |
1件55万円。ただし、出資等にかかる不動産価格及び調査の難易、繁簡等を考慮して、弁護士と依頼者との協議により、適正妥当な範囲内で増減額することができる。 |
第39条 弁護士は、依頼者との協議により、受任する事件等に関し、第2章ないし第4章及び第7章の規定によらないで、1時間あたりの適正妥当な委任事務処理単価にその処理に要した時間(移動に要する時間を含む。)を乗じた額を、弁護士報酬として受けることができます。ただし、別途成功報酬金を定めることを妨げるものではありません。
2. 前項の単価は1時間ごとに1万1千円以上とします。
3. 弁護士は、具体的な単価の算定に当たり、事案の困難性、重大性、特殊性、新規性及び弁護士の熟練度等を考慮して定めるものとします。
4. 弁護士は、時間制により弁護士報酬を受けるときは、あらかじめ依頼者から相当額を預かることができます。
第40条 顧問料は、次表のとおりとします。ただし、事業者については、事業の規模及び内容等を考慮して、その額を減額することができます。
法人 | 月額5万5千円以上 |
個人 | 月額5千5百円以上 |
2. 顧問契約に基づく弁護士の業務の内容は、依頼者との協議により特に定めのある場合を除き、一般的な法律相談とします。
3. 簡易な法律関係調査、簡易な契約書その他の書類の作成、簡易な書面鑑定、契約立会、従業員の法律相談、株主総会の指導又は立会、講演などの業務の内容並びに交通費及び通信費などの実費の支払等につき、依頼者と協議のうえ、顧問契約の内容を決定します。
第41条 日当は、次表のとおりとします。
半日(往復2時間を超え4時間まで) | 3万3千円以上5万5千円以下 |
1日(往復4時間を超える場合) | 5万5千円以上11万円以下 |
2. 前項にかかわらず、弁護士は、依頼者と協議のうえ、前項の額を適正妥当な範囲内で増減額することができます。
3. 弁護士は、概算により、あらかじめ依頼者から日当を預かることができます。
第42条 弁護士は、依頼者に対し、弁護士報酬とは別に、収入印紙代、郵便切手代、謄写料、交通通信費、宿泊料、保証金、保管金、供託金、その他委任事務処理に要する実費等の負担を求めます。
2. 弁護士は、概算により、あらかじめ依頼者から実費等を預かることができます。
第43条 弁護士は、出張のための交通機関については、最高運賃の等級を利用することができます。
第44条 委任契約に基づく事件等の処理が、解任、辞任又は委任事務の継続不能により、中途で終了したときは、弁護士は、依頼者と協議のうえ、又は、弁護士の判断の上、委任事務処理の程度に応じて、受領済みの弁護士報酬の全部若しくは一部を返還し、又は弁護士報酬の全部若しくは一部を請求することができます。
2. 前項において、委任契約の終了につき、弁護士のみに重大な責任があるときは、弁護士は受領済みの弁護士報酬の全部を返還します。ただし、弁護士が既に委任事務の重要な部分の処理を終了しているときは、弁護士は、依頼者と協議のうえ、その全部又は一部を返還しないことができます。
3. 第1項において、委任契約の終了につき、弁護士に責任がないにもかかわらず、依頼者が弁護士の同意なく委任事務を終了させたとき、依頼者が故意又は重大な過失により委任事務処理を不能にしたとき、その他依頼者に重大な責任があるときは、弁護士は、弁護士報酬の全部を請求します。
第45条 依頼者が着手金、手数料又は委任事務処理に要する実費等の支払いを遅滞したときは、弁護士は、事件等に着手せず又はその処理を中止することができます。
第46条 依頼者が弁護士報酬又は立替実費等を支払わないときは、弁護士は、依頼者に対する金銭債務と相殺し又は事件等に関して保管中の書類その他のものを依頼者に引き渡さないでおくことができます。
1 この規程は、平成21年1月1日から施行します。
2 この規程施行の際、現に処理中の事件の弁護士報酬については、なお、従前の例によります。