新宿の顧問弁護士なら弁護士法人岡本(岡本政明法律事務所)

当事務所では、上場企業(東証プライム)からベンチャー企業まで広範囲、かつ、様々な業種の顧問業務をメインとしつつ、様々な事件に対応しております。

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コラム - 202101のエントリ

一 先日、ソフトバンクから次世代通信規格「5G」の営業秘密情報(ネットワーク技術情報で、無線基地局の効率的な整備に関するもの等が含まれていたようです)が元従業員に持ち出されたということで、元従業員が逮捕された事件が起きました。報道によりますと、元従業員は、転職直前に約30回にわたり、社外から自身のパソコンでソフトバンクの管理サーバーに接続し、営業秘密が入ったファイルを自分自身にメールで送信し、転職先である楽天モバイルの業務で活用した可能性があるようです(楽天モバイルは否定しているようですので真偽は不明です)。
 ソフトバンクは、営業秘密の利用停止と廃棄等を目的とした民事訴訟を提起する予定であると報道されています。

二 これまでも複数のコラムの中でお話ししている通り、当事務所は、営業秘密や機密情報を持ち出されたり、顧客を奪われたりする等の競業行為をされた場合に訴訟や刑事告訴などを行い、多数の成果を挙げています。
 平成31(2019)年1月23日、経済産業省が営業秘密管理指針を改定した際には、当事務所が勝訴した判決が「参考裁判例」として掲載されています。
 このことからも、いかに当事務所が、営業秘密の持ち出しや情報漏洩・情報流出、競業行為などの不正競争に関し、豊富な経験があり、得意としているかを分かっていただけると思います。

三 終身雇用制が限界を迎え、雇用が流動化し、従業員や役員(取締役・監査役)の転職などが一般的になりつつある中、情報漏洩、競業行為、信用毀損行為に関し、当事務所にご相談いただいている案件数も増えております。
 近時の裁判例をご紹介しますが、会社側有利な裁判例も増えておりますので、退職した元従業員や取締役等への対応の参考にして頂き、気軽に当事務所にご相談ください。

損害賠償請求事件

平成30年4月26日東京地裁判決

1億4044万6980円

被告会社において原告の商品である婦人服の形態を模倣して婦人服を販売等した行為を違法と判断した。
被告会社の代表取締役として、かかる不正競争行為に積極的に関わったものである者の個人責任も認めた。

刑事事件

平成30年5月11日名古屋地裁豊橋支部判決

懲役2年及び罰金50万円

4年間執行猶予

ハードディスク1台没収

被害企業の従業員であった被告人が、同社が取り扱う製品の図面データ(営業秘密)等141件を不正に領得した行為について違法と判断した。
被告人が領得した情報は、被害企業の主力製品の工作図データ等であり、競合他社に利益をもたらし得るものである。被告人は、その重要性を認識しながら、将来自らが事業を行う際、あるいは同業の元同僚から情報提供の依頼があった際などに役立てたいと考え、アクセスを許可されていたデータベースから収集してパソコン内に保存してあったデータを、情を知らない同僚のパソコンを操作するなどして私物のハードディスクに複製し、領得したので、悪質な犯行と判断された。

損害請求等事件

平成30年5月11日大阪高裁判決

500万円

使用・開示差止請求

廃棄請求

 

アクセス制限があったこと等から秘密管理性を認めた。秘密管理性が認められることから、有用性や非公知性が推認されると判断した。
秘密情報管理規定及び秘密情報保持に関する誓約書を閲覧し、面談の際にも、弁護士からの本件誓約書の条文の有効性についての説明に対しても、特に質問をすることなく、理解している旨述べていることから、本件電子データが営業秘密に該当することは十分に認識していたと判断し、違法性を認めた。

損害賠償請求事件

平成30年9月7日東京地裁判決

(在職中の行為)

1841万4364円

 

(退職後の行為)

298万4580円

原告在職中、原告ドメインのメールアドレスを用い、原告の従業員であることを示して、関係先に取引の勧誘を行うなどしながら、原告の事業と同業であるCG制作等を個人として受注し、勤務時間中及び勤務時間外に原告リソースをも使用してそれら個人受注案件を処理し、報酬を得ていた行為を不法行為と判断した。
また、損害の立証が不十分であるとしつつも、民事訴訟法248条に基づき、個人受注案件による総売上額(税抜き)の5割と認めるのが相当であるなどと判断した。
さらに、退職後に、被告Y1がリモートアクセス等により原告の設備等を原告に無断で使用し、被告Y2がこれを手助けするなどした行為についても共同不法行為と判断した。

刑事事件

平成30年12月3日最高裁判決

懲役1年

執行猶予3年

勤務先を退職し同業他社へ転職する直前に、勤務先の営業秘密である前記1の各データファイルを私物のハードディスクに複製しているところ、当該複製は勤務先の業務遂行の目的によるものではなく、その他の正当な目的の存在をうかがわせる事情もないなどから、不正競争防止法21条1項3号にいう「不正の利益を得る目的」があったと判断した。

損害賠償請求等事件

平成31年

1月31日大阪地裁判決

ウェブサイトの表示差止請求

相手方の製品が自身の製品の「コピー」であると表現することができるのは、外観、構造等が同一、あるいは区別し得ない程度に類似しているような場合か、少なくとも、相手方の製品が、自身の有する特許発明の技術的範囲に属し、特許権侵害が肯定されるような場合に限られる。それにもかかわらず「コピー」という表現を用いたことは違法であると判断した。
もっとも、本件では実際の損害が生じていないので、損害賠償は認めなかった。

損害賠償請求事件

平成31年2月21日大阪地裁判決

10万円

6万2000円

 

ヘルパーの人員確保ができなくなったことと、経営の不手際があったため、充分なサービスの提供が難しくなったことを説明した上で、運営している事業所の全サービスを休止するという書面を送付した行為について営業上の信用を毀損する違法行為であると判断した

損害賠償請求

平成31年3月1日東京地裁判決

55万円

顧客らに納入した(被告の著作物である)デザインを無断で改変するなどの違法行為を行い、顧客に生じた被害についても伝えないなど無責任な対応をする会社であるとの印象を与えるファックスを送った行為について競争関係にある原告の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知した違法行為であると判断した。

損害賠償請求事件

平成31年3月19日東京地裁判決

138万6000円

元従業員らが、原告を順次退職し、被告会社に転職したことを総合すると、キーマシン等は、本件元従業員らのうちの誰かが、原告内に置かれていたものを持ち出したか、又は、仕事等のために持ち出し、そのまま返却せずに被告会社に移して、業務に使用したものであるとして、不法行為を認めた。

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