新宿の顧問弁護士なら弁護士法人岡本(岡本政明法律事務所)

当事務所では、上場企業(東証プライム)からベンチャー企業まで広範囲、かつ、様々な業種の顧問業務をメインとしつつ、様々な事件に対応しております。

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コラム - 201202のエントリ

 

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1 近時急増した法律相談は巨大銀行の恥
 
  当事務所は上場企業の顧問先もありますが、中心の顧問先は中小企業の皆様であります。当事務所の弁護士は、会社の皆様と共に夢を語り合いながら、一緒懸命に頑張ってまいりました。
ところが、近時、超有名銀行の一方的な勧誘によって開始したデリバティブ取引によって、説明もなかった多額の損失を蒙り、苦しめられている顧問先或いは為替デリバティブ取引によって破産寸前まで追い詰められた会社の相談を多数受けることになったのです。
呆れました。これらの銀行は我が国有数のメガバンクそのものであり、為替デリバティブはメガバンクが勧誘した取引なのですから。
所長である私が20数年前在籍した法律事務所での経験ですが、顧問先であった巨大銀行の一つ(当然現在の三大メガバンクが継承)である銀行の専務から招待を受け、都心中央部に所在するひっそりとした、しかしながら車回しまでがある日本料亭で、業務上の心構えについて次のように諭されました。専務の話は本当に印象的でありましたし、その後の弁護士人生に一つの信念をもって臨むことができたと思っております。
専務のお話の要旨です。
「私ども銀行は国に準じる組織であると自負しております。このことを肝に銘じていただき、自信をもって、しかしながら誰に対しても恥ずかしくない弁護士業務を行ってください。」
弁護士になって間もない頃のことですが、本当に貴重な経験でした。
私は、整理回収機構の不動産部の創設にもその意識をもって臨んだつもりであります。整理回収機構は預金保険機構の子会社であり、専務のお話しのとおり文字通り国に準じる会社でありましたから。
 
2 為替デリバティブ(通貨オプション)とは何か?
 
一昨年から相談を受けるようになりました為替デリバティブ取引は、通常、予め設定された為替レートで外貨を買う権利(コールオプションと言います)を購入するものであると認識下さい。これに対して銀行は同じ為替レートで外貨を売る権利(プットオプションと言います)を買うのですが、銀行の損は一定の限度であるにも拘らず、購入した相談者は現在の円高のなかで限りのない損失を受ける仕組みになっております。
多くの相談者は、出入りしている銀行員に毎日のように「儲かります」と言われ続け勧誘を受けております。資金の融通を受けているメーンバンクの言うことであるし、しかも毎日のように顔を合わせている担当者の推薦だから嘘はあるまいと安易に考えて為替デリバティブ取引を始めた事例が本当に多い。そもそも本件為替デリバティブ取引は為替の変動リスクを回避するためのものであります。円高、円安に対してのリスク管理として考案された商品の一種ですから、輸入業務をメーンとしている会社が対象のはずでした。しかし貿易に全く無関係の且つ国内を市場とする業者ですら為替デリバティブ取引をさせられておりました。為替の変動リスクに無関係のこれらの会社は間違いなく博打をさせられていたことになります。
円高が進み1ドル76円程度となった現在、いずれの企業も申し合わせたように億前後の損害が出ております。
現在では為替デリバティブ商品が詐欺商品の類であり、メガバンクによって完全に賭博の世界に引きずり込まれたことは誰しも知るようになりました。契約をお願いした銀行の担当者ですらデリバティブ商品の内容をきちんと説明できなかった事案も続出しております。「必ず儲かる、必ず儲かる」と連呼することのみが営業手法であった事例すら出ております。
 
3 ADRという紛争解決機関
 
    先日は遂に全国銀行協会によるADRという調停制度を利用する事例も経験しました。
ADRは調停の一種で、全国銀行協会にて組織された裁判所ではない紛争解決機関です。当事務所では、私的紛争解決機関として当初はあまり信頼しておりませんでしたが、調停委員の方の真摯な姿勢や解決までのスピードを考えると、それなりに意味のあるものという印象をもちました。もちろん、当事務所での案件は、事案を十分に検討して調停委員の方に対し、万全の準備で説得に成功しましたから、記録尽くめの解決となりました。
しかしADRは結果がそのまま公表されることはありません。苦しむ企業の方の先導となるようにするには、為替デリバティブ取引の結果が公表され基準となる裁判所の司法判断を受けることも厭わない覚悟で本件事案に当たらねばならないと覚悟を決めております。
 
4 メガバンクの責任
 
  為替デリバティブ取引はメガバンクがやはり金儲けに直結する株式会社であることの一端を垣間見せました。私は前述した専務の言葉を大事にしてきた者として、本当に銀行の皆様に反省してほしい。
  こんな感想を述べる私は被害者の企業からは何を甘ったるいことを言っているんだとお叱りを受けるでしょう。当然だと思います。
  銀行の無責任な利益追求姿勢に反省を求めるためにも、徹底して銀行の責任を追及することが大切です。それがこれまでの銀行を変える結果にもなります。
  当事務所では上記信念に基づき徹底して争う覚悟です。

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