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当事務所では、上場企業(東証プライム)からベンチャー企業まで広範囲、かつ、様々な業種の顧問業務をメインとしつつ、様々な事件に対応しております。

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不動産業者から立ち退きを求められた場合や不動産業者が立ち退きを求める場合に発生する立退料の金額

カテゴリ : 
借地借家

1.    当事務所は数多くの立退き事件を取り扱って解決しています。
詳細は、様々なコラムを参考にして頂けると幸いですが、借地借家法が存在しているため、家賃滞納がなく、定期借家契約でもない場合、明渡しの条件として、立退料の支払いが必要になることが一般的です。
 もちろん、当事務所においては、不動産業者などの賃貸人から依頼された際には立退き料0円で解決していることもありますし、賃借人から依頼された際には立退き料として月額賃料の200ヶ月分で解決したこともありますので、一般論が全て当てはまるわけではありません。
 

2.    賃借人の立場に立って解決する場合であっても、不動産業者などの賃貸人の立場に立って解決する場合であっても、具体的に裁判例がどのように解決しているのかを知ることが最も重要です。
 借主からすれば、立退きを求められたとしても、しっかりと準備をすれば自らの利益を守ることができますし、貸主からすれば、しっかり準備をしないといつまでも明け渡してもらえないということになります。
 いずれにせよ、具体的な事案によりますので、早めに当事務所にご相談いただくことが肝要だと思います。

立退きが認められず

平成30年5月29日東京地裁判決

正当事由なし

 

 

貸主が主張する耐震診断では、補強計画は含まれておらず、耐震補強によって耐震性能を高められる可能性があることを否定することはできないこと、貸主は自らが居住するわけではなく、新たに賃貸マンションを建築して収益を上げる方法で有効活用を図ることを目的として、借主に対し本件建物の明渡しを求めていること、借主は、貸主らが本件建物を含む土地建物を購入する以前から、本件建物を賃借し、同所で土地家屋調査士業を営んでいたこと等から正当事由が無いと判断した。貸主らの経済的利益のみを優先して従前からの賃貸借契約関係を終了させる結果とすることはできないとも判断している。

立退き料

平成30年5月30日東京地裁判決

77万円

①当該敷地の借地権価格及び建物の価格に、一定の割合による借家権割合を乗じて求められる借家権価格と②転居に伴う支払賃料の差額、一時金及び移転費用等から求められる損失補償額を調整する方法(①と②の平均値を算出)により算定するのが相当として77万円を立退料とした。

立退きが認められず

平成30年7月20日東京地裁判決

正当事由なし

①家賃差額補償、②移転費用、③営業補償、④内装等の造作補償、⑤広告・宣伝費を全額補償する必要があると判断した上で、その合計額を1156万1000円と判断した。当該金額は、貸主の申出額の約5倍にも上る金額であるため、正当事由がないと判断された。

立退料

平成30年8月28日東京地裁判決

2億円

本件賃貸借契約の終了により喪失することになる借家権価格相当分と、本件建物部分の明渡しに伴い生ずる営業補償等の損失補償分とを合算して立退料を算定するとした上で、借家権価格(対価補償)、借家人補償(賃料差額補償)、店舗内部造作補償額(内装・設備工事費、設計管理料、消費税相当額)、工作物補償額(工作物移設等工事費、消費税相当額)、営業補償額(収益減の補償額、得意先喪失の補償額、固定的経費の補償額、従業員に対する休業手当補償額、店舗移転に伴うその他費用の補償)、その他の通常損失補償額(動産移転料、移転先選定に要する費用、その他雑費)を考慮して2億円を立退料と判断した。

立退料

平成30年9月7日東京地裁判決

9273万8000円

ホテル計画が実現すれば、貸主は、本件土地を極めて有効に利用することができるようになり本件土地から得られる利益も長期的に大きくなること、本件店舗が借主において重要な位置付けを占めていることは事実であり、その移転に伴う補償としては通損補償の額に一定の上積みをすることも必要といい得ること等から、本件店舗の立退料としては、本件鑑定により算定された通損補償の額に借家権価格の額を加算した9273万8000円が相当と判断した。

立退料

平成30年9月14日東京地裁判決

8300万円

本件のように賃貸人から建物の明渡しを求められ、借家人が不随意の立退きを強いられる場合には、その補償額が総額において現実的な費用面から検証した移転補償額としての試算価格を下回るべきではないこと、貸家控除法は飽くまで理論上の価格であり、控除差額の配分割合によって左右されがちなものであることなどが考慮された上、本件における立退料としては、移転補償額としての試算価格である8300万円を採用すると判断された。

立退きが認められず

平成30年9月28日東京地裁判決

正当事由なし

貸主は、自己が居住して使用する必要性ではなく、できるだけ高額で売却して現金化しておきたいという経済的な理由によるところが小さくないことからすると、借主が本件各建物を賃貸(転貸)して経済的利益を得ているにすぎないとしてもそのことを軽視すべきではない等として、正当事由が認められないと判断された。

立退きが認められず

平成31年1月21日東京地裁判決

正当事由なし

貸主らは、1600万円までであれば立退料として支払う余地があるとするが、営業損害が3000万円という水準の場合、貸主らの支払可能額を大きく超過すること等から、正当事由が認められないと判断された。

立退料

平成31年1月22日東京地裁判決

250万円

立退料に相当する金額は、近隣地区への転居に伴う引越費用、転居費用(仲介手数料、礼金等)及び近隣地区における同規模の賃貸住宅の賃料の相当期間分に加え、転居により借主本人に生じる上記負担を補うに足りる額であることが必要であるとして、立退料を250万円とした。

立退きが認められず

平成31年1月29日東京地裁判決

正当事由なし

 

賃借人の自己使用の必要性が極めて高いのに対し、賃貸人の自己使用の必要性がほとんどないこと、本件建物は、もともと店舗として賃借することが予定された収益物件であり、本件建物の利用状況もこれに合致するものであったのに対し、賃借人に背信行為と評価されるような行為があったとは認められないこと等を理由に正当事由が認められないと判断した。

立退きが認められず

平成31年1月31日東京地裁判決

正当事由なし

貸主らにおいて本件各建物を使用する必要性が高いとはいえないのに対して、借主にとって、明渡しは、本件理容室及び本件美容室の経営に深刻な事態をもたらす死活問題であることから、本件建物が一定程度老朽化していることを考慮しても、本件解約申入れに正当事由があるとは認め難いこと、少なくとも借主が本件理容室及び本件美容室を移転するために負担を余儀なくされる諸費用、代替店舗の確保に要する費用、移転に必要な期間の休業補償、移転先での営業が軌道に乗るまでの期間の減収分の填補等を考慮した立退料の金額でなければ、正当事由の補完としては十分とはいえないこと等を理由に正当事由が認められないと判断した。

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