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書評「この1年間に出された濱嘉之さんの本」その1

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書評
1 先日、女房が「濱さんがテレビに出ているよ」と教えてくれました。駆けつけて見たテレビでは、濱さんが話題の中心になっていました。濱さんは、テレビ出演した最初の頃、テレビ局で準備された仕出し弁当には手を付けなかったという話です。濱さんは、公安刑事時代から、出された食事には手を付けないという信条の話しをしておられました。そういえば、濱さんをお呼びして、私の事務所の皆さんと食事した時にも、同じ話で盛り上がったものです。
 濱さんとの付き合いは、濱さんが警視庁を辞められて、危機管理の会社を立ち上げられた当時からのお付き合いです。このコラムでも何回も登場していただきました。1年ちょっと前のコラムでも、私が、200万部出版記念会の最初の挨拶をした話を書いております。そんな仲なのに、濱さん出版の本に対する書評がないことに突然気づきました。
 濱さんの小説は独特で、読ませていただく都度、随分勉強させていただいております。濱さんの本の紹介をしていないなんて、許されるはずがありません。

2 ところで、ネットや出版物では、濱さんの作家デビューは2007年「警視庁情報官」とされています。でも私は、2006年8月16日発刊の講談社出版「警視庁少年課事件ファイル」が最初の出版物だと考えております。だって、最初の処女作を書かれた時、私の事務所にある少年事件関係の資料や参考書を大分お貸ししました。この処女作出版記念会の司会は私が仰せつかっております。参加者には警察関係の方が多く、多分公安関係の方も多数参加されていたのか、雰囲気がちょっと違って大変面白い経験をさせていただきました。
 著者名は駒田史朗になっているため、デビュー作品とされていないのでしょうが、実に勿体ないと思います。
 この本では、少年事件の洗いざらいが書いてあります。少年事件の実情が手に取るように分かります。また、当時のネットの発達状況に、ついていけない刑事さんが登場したりして、今読み返しますと、思わず笑ってしまうのです。著者名等の関係で、訳がおありなのかもしれませんが、敢えて紹介させていただきました。

3 濱さんの出版物紹介に際して、最初にお話ししたい内容は、先ず、びっくりするような最新情報が書かれているということです。
ここ1年間でも、毎回勉強させていただいております。
先ず、紹介する1年間の出版物をあげておきましょう。
①昨年2017年12月発刊、警視庁公安部青山望シリーズの「一網打尽」(文春文庫の出版)
この作品は、随分利用させていただきました。
本書では、地面師の詐欺事件について紹介し、このような手口を「背乗り(はいのり)」と言うそうです。拉致事件でも使われた手法らしく、北朝鮮スパイが良く使う手法と紹介されています。
②本年4月10日発刊、同シリーズの「爆裂通貨」(文春文庫の出版)
北朝鮮のサイバーテロ、仮想通貨が題材ですが、衝撃は日本人でありながら、戸籍のない人が一万人近く存在するという事実です。弁護士として衝撃的でした。私は韓国の方の類似の事件を扱ったことがありましたので、本当に新鮮でした。
③本年7月19日発刊、院内刑事シリーズの「ブラック・メディスン」(講談社α文庫の出版)
この作品は、病院での危機管理が中心です。目新しいトピック作品で、「弁護士の活動領域も広がるのではないか」と新鮮な印象を受けました。

4 では「一網打尽」です。
 今年年頭、ある一部上場企業の新年会に呼ばれ、1000名程度が集まっている会場で新年会の祝辞を述べる役を仰せつかりました。私は、今後のビジネスで注意するべきことの一つとして、「成りすまし」事件について、この小説に書かれている内容を紹介しました。この時、「一網打尽」を掲げて実際に紹介しております。
 ところが驚きました。その直後、「成りすまし」による不動産詐欺事件が爆発したのです。そうです。積水ハウスが、東京五反田にある老舗旅館「海喜館」の土地売買に際して、おかみさんの「成りすまし」による詐欺にあったのです。その損害が63億円というのですから驚きです。近時、毎日のように主犯格逮捕というように報道されております。真相解明は、まだ先ですね。
 そもそも「一網打尽」が書かれた時期には、全くそのような話題はありませんでした。しかし、私は、「判例時報」という判例情報誌を愛読しております。同誌にて(「一網打尽」が出される直前です)、弁護士が「成りすまし」を見抜けず多額の損害を出したことに関する東京地方裁判所の判決が掲載されました。弁護士は、本人確認義務を怠ったとして損害賠償請求をされ、「1億6044万4218円を支払え」との判決が出されたのです。私はこの判決にショックを受けました。弁護士に損害賠償が認められるのは初めての事例で、これまでは司法書士等の先生方の判例ばかりでした。それらを読んで、「やっぱり弁護士でないとね」と当然のように思っていたことが裏切られたのです。

5 弁護士が、本人確認義務を懈怠した東京地方裁判所の判例について紹介したかったのですが、ページが無くなりました。でも当該弁護士の仕事ぶりには、同業者として腹立たしいものがあります。裁判所も、誠実に事件に向きあっているなら、本件の成りすましも見破れたと認定したのでしょう。

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