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セクハラ問題に対して会社はどのように対処すれば良いか(労務リスクへの対応その2 ビジネス法務)

カテゴリ : 
労働事件

  

一.  前回のコラムにおいて、会社がパワハラ問題にどのように対処すれば良いかという話を書きましたが、今回のコラムにおいてはセクハラ問題を書こうと思います。
いうまでもなく、セクハラ問題も、パワハラ問題に並んで大きく報道されている問題の一つです。
近年も、ハリウッドにおいて「#Me Too」運動が起こったという報道を始めとして、日本においても定期的に大きく報道されています。
セクハラ問題については、パワハラ問題に比べれば長い歴史がありますが、先進的なハリウッドにおいてもこのような問題が起きているわけですから、日本においてもいくらでも起きる可能性があります。
セクハラ問題についても、会社には職場環境に配慮する義務がありますので、会社自身が損害賠償義務を負う可能性がありますし、「炎上」リスクも大きいです。
会社としては、セクハラ問題を軽く考えることなく、しっかりと適切な対処をしていかないと足元をすくわれることになりかねません。
 
二.  では、セクハラとは何でしょうか。
これほど大きく報道されている割に正確に理解している人は極めて少ないように感じます。
セクハラについては、「職場」において行われる「労働者」の意に反する「性的な言動」と定義されることが多いようです。
ここで重要なことは、勤務時間外の宴会であっても職場の延長に当たるものであれば「職場」に当たりますし、女性から男性に対する行為や同性間における行為もセクハラに当たり得ます。
最近ではLINEなどのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)で、手軽に(?)セクハラをしてしまう人も増えています。
 
三.  セクハラの中には、マタハラ(妊娠、出産、育児休業等に関するハラスメント)も含まれます。
マタハラとは、主に「職場」において行われる上司・同僚からの言動(妊娠・出産したこと、育児休業等の利用に関する言動)により、妊娠・出産した「女性労働者」や育児休業等を申出・取得した「男女労働者」等の就業環境が害されることです。最近では、上司の男性から「俺は彼女が妊娠したら俺の稼ぎだけで食わせる」と言われた事件において、裁判所でマタハラであることが認定されたと報道された事件もありました(平成30年9月12日付け朝日新聞朝刊)。
平成29年1月1日に施行された法律及び「雇用管理上講ずべき措置についての指針」によれば、会社には、①相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備、②ハラスメントにかかる事後の迅速かつ適切な対応、③ハラスメントの原因や背景となる要因を解消するための措置を取る必要があることとされていますので、注意が必要です。
もっとも、何でもかんでもマタハラに該当するというわけではありません。
業務分担や安全配慮等の観点から、客観的にみて、業務上の必要性に基づく言動によるものについては、マタハラには該当しません。
例えば、業務状況を考えて、上司が「次の妊婦健診はこの日は避けてほしいが調整できるか」と確認することはマタハラには該当しません。
マタハラで違法と言われるのは問題ですが、過剰に反応しすぎて会社の運営に支障をきたすことも良くありませんので、どういう場合にマタハラになるのかをしっかり確認し、マタハラにならないように会社としての方針を確立することが重要です。
 
四.  会社がセクハラやマタハラに対処しなかった場合のリスクが非常に高まっている以上、顧問弁護士と一緒にしっかりと対処法を確認していく必要があります。
また、会社にはセクハラやマタハラを防止するために策を講じる義務がありますから、弁護士にハラスメント研修の講師をしてもらい、従業員に正確な認識を持ってもらうということも重要です。
残念なことに既にセクハラの被害申告や苦情を受けてしまった場合には、当該行為が本当にセクハラなのかをしっかり調査した上で、適切な対応を行う必要があります。
セクハラを軽く考えてしまうと、会社が損害賠償義務を負うだけでなく、「炎上」してしまい、とんでもない目に遭ってしまいます。
 
五.  当事務所は、顧問会社の実態に合わせ、顧問会社に出向いてハラスメント研修の講師を行ったり、セクハラの被害申告を受けた場合にも本当にセクハラなのかをしっかり調査確認した上で様々な対応を行なったりしております。
会社においては、パワハラだけではなく、セクハラに関するリスクも非常に高まっていることを理解して頂き、一度当事務所に御相談頂けると幸いです。
                         以 上
 
 

 

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