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新宿の顧問弁護士なら弁護士法人岡本(岡本政明法律事務所)

当事務所では、上場企業(東証プライム)からベンチャー企業まで広範囲、かつ、様々な業種の顧問業務をメインとしつつ、様々な事件に対応しております。

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為替デリバティブ取引(2)

カテゴリ : 
金融取引

 

(なお、上記コラムの目次は最新掲載のもの5本しか掲載されません。コラムに掲載されている全ての目次は右上にある「アーカイブ一覧」及び左上の欄にある「過去ログの検索」で見ることができます。是非クリックしてご覧ください) 

 

 

1 びっくりした事例

  私は、東京地方裁判所から個人再生委員を申しつかっておりますが、3カ月に2件程度の割合で個人再生委員を受任しております。

  先日、個人再生債務者つまり個人再生を申立てした方が、私の事務所に面接にいらっしゃいました。私は東京地方裁判所の補助者として、個人再生を申し立てられた方の財産および収入の状況を調査するよう命じられております。

その方は、最近転職をされておりましたので転職前の会社について質問したところ、その会社は為替デリバティブ取引をしていて先がないので辞めましたという話でした。驚いたことにその会社社長は2年ほど前、当事務所においでになって為替デリバティブ取引について相談を受けておられたのです。その会社は直接貿易をされている会社でしたから、為替に対してのリスクヘッジができる会社でした。違法な勧誘がなかったかどうか或いは十分に為替デリバティブ取引を理解していたかどうかなどお聞きしましたが、直ぐに受任するということにはなりませんでした。銀行の勧誘の仕方が典型的な「必ず儲かる」という詐欺的説明や断定的説明があった訳でもない事案でした。

しかしこの2年の間に、従業員にまで見放される会社になったかと思うと心配でなりません。

とにかく私が受任して、次の何らかの手を一緒に検討するべきであったと後悔しきりです。

 

 為替デリバティブ取引での相談は多種多様

為替デリバティブ取引の救済策は必ずしも銀行を訴えるということだけではありません。この取引を中途解約する場合でも、弁護士が必要です。解約金の支払いをめぐって、ある程度引き延ばしというような形になったとしても、今後の対応についてじっくり検討することが可能なのです。とにかく解約金の試算は銀行の支店レベルでは出来ないのですから具体的な金額など聞かされていません。試算された解約金の額を知って驚かれる経営者の何と多いことでしょうか。

当事務所では、為替デリバティブ取引の相談を受けた場合には、その取引を始められた経緯について疑問のあることがあれば、この疑問点を徹底的に検討することにしております。しかし、このような検討だけでは十分ではありません。今後の会社の進むべき道或いは債務整理が必要であっても、破産や任意整理或いは民事再生の検討も必要なのです。事業譲渡という形も取りえない訳ではありません。

法的整理手続である破産や民事再生の方法は債権者である銀行にも大きなプレッシャーになります。また任意整理という手法も可能なのですが、この手続には種々の条件が必要ですので、必ず弁護士に相談しないと駄目です。

 

3 裁判所からの信頼

始めに書きました個人再生手続ですが、破産という手続よりも日本人の意識に合致するようです。意外と利用されることの多い手続なのです。特に自宅だけは保持したいという勤め人には便利な手続です。

個人再生手続の制度ができた平成13年直後、私は弁護士会の法律相談運営委員会委員長、東京法律相談連絡協議会の議長でしたから、長い間、本制度の定着に関与してきたことになります。計算してみますと、これまで受任した事件の総数は100件に近いことになります。個人再生事件から破産に移行する案件も多く、そのような場合には私が破産管財人になる訳ですから嫌でも破産関係の諸事件に熟達せざるをえないことになりました。

一時期、個人再生委員を勤める弁護士の多くの先生がいい加減な処理をされることから、裁判所から種々のご指導をいただきました。そのような中で現在でも個人再生委員として事件をいただいているということは、もっと誇りにしていいと考えています。当事務所は東京地方裁判所より調査委員、保全管理人或いは民事再生監督委員を仰せつかり、時には大型の破産管財業務もお引き受けしております。

為替デリバティブ取引の検討においてもこのような経験が生かされないと依頼者の根本的な解決にはならないと判断しております。

事務所一同、これからも東京地方裁判所の更なる信頼確保のために一層奮起する決意をしております。

 

4 解約料の告知があったか?

本年2月、解約料の告知が不十分であったとする興味ある大阪地裁の判決が出ました。大阪産業大学が野村証券を訴えた事案であります。「勧誘の際、為替レートなどによっては解約料が10億円を上回る可能性があると説明していれば、大学側は契約しなかった」と指摘し、「説明は極めて不十分だった」として、野村証券の説明義務違反を認定し、25000万円の支払いを命じたものです。

為替デリバティブ取引の解約料はとにかく複雑な計算が必要であります。しかも解約料が膨大な額に膨らむということについては説明を受けていない事例が殆どです。そもそも勧誘に携わっている銀行担当者には解約金の計算ができず、本店の専門部署で計算されるものですから、取引の際に具体的に説明できないのは当然なのです。

ところで為替デリバティブ取引は、銀行の損失リスクについては特約により限定されていますが、会社側のあなたにはノックアウト条件が付いていないのです。円高になると日々損が拡大します。損失リスクのヘッジがあなた側にはないという、こんな不公平な取引が許されるのでしょうか?

 

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